フィンランドでの日常生活を綴っています。

月曜日, 4月 30, 2012

大きな市と近郊の小さな市

event_note4月 30, 2012 editBy Kuukkeli forum2 comments
今日は、朝っぱらからわたわたと始まりました。

朝6時前、夫が「背中痛て~」とわめき始めまして…。ちょっと様子を見ておりましたが、どうもおさまりそうにないし、夫本人が「我慢できん!! 緊急対応センターに電話しろ!!」なんていうものですから、しましたよ。緊急電話初体験…

結局、救急車なんぞを派遣していただいて、夫は病院に行ったのでした。あっ、でも夫はもうすっかり元気になって家に帰ってきておりますので、ご心配は全く無用です。急性の痛みの原因もわかり、それも完全に排除されたようで、今は、はっきりいって今までよりも元気はつらつの夫です。

実は書きたかったのはそのことではなく、大きな市の近郊にある小さな市に住むことの不公平さです。

近年、地方財政もいろいろ厳しいですから、いろんなところでサービスが縮小されているわけです。で、うちの市では、救急センターが数年前から24時間体制ではなくなっています。急病になったらどうするかというと、となりの大きな市の救急センターに行くんですね。ところが、我が市の市民は当然のことながら、その大きな市の市民ではありません。ですから、我が市の救急センターが午前8時にオープンすると、大きな市の救急センターから、すぐ住民票のある市の救急センターに送り返されるのだそうです。

今日、救急車が来てくれたのが7時過ぎごろだったんですね。わが市の救急センターには8時にならないと入れません。何でも今日来ていた救急団員の話によれば、以前8時前に患者を担ぎ込んだら、すごく非難されたんだそうです。だから、8時前にそこには連れて行けない。一応となりの大きな市の救急センターにも問い合わせてくれたのですが、わが市の救急センターが開く時刻にすぐ送り返しになるからということで… まあ結局、命にかかわるほどの緊急な事態ではなかったこともあって、わが市の救急センターの8時のオープンに合うように夫をそこに連れて行ってくれました。

サービスが大きな市に集中すると、近隣の市の市民は、その大きな市のサービスを使わざるを得ないのに、そこの市民ではないために、大きな市の市民と100%同じサービスは受けられないのですね。…そんなことに本日気づいた次第です。

*****

今日の国営放送Yleの8時半のTVニュースの最初に報道されたのは…

フィンランドはギリシャ金融支援の見返りとして、ギリシャと担保取り決めをしています。そして、この取り決めの内容は、秘密書類扱いとなっているようです。「公開すべきだ」という声の上がる中、部分的に公開しましたが、今回公開された部分はあまりにも不十分で、一切本質が見えない…とそんな話題でした。

2 comments:

merlin01 さんのコメント...
kuukkeliさんこんばんは~
ご主人、大事なくてよかったですね。
救急対応日本ではちょっと考えられないですね^^;
旅行中の救急対応なんかはどうなるんでしょう? 応急処置だけして後は家に帰って病院へ行けって言われたりして・・・
ということは医療は国ではなく市の財政でまかなわれるってことでしょうか?
こんな大事なことがその時にならないと分からないんですよね~。
Kuukkeli さんのコメント...
こんばんは!

救急センターは、公共だからなんでしょうね。フィンランドの医療は、かなりの部分が公共です。おっしゃるとおり、地方自治がまかなっているのだと思います。救急の場合には、もちろんどこでも手当てをしてもらえるでしょうが、基本的に金銭的な負担は患者の住民票のある自治体ということになっているようです。救急でない場合に、他地域の健康ステーション(地域の病院は直訳するとこんな名前です)で治療を受けるのは、地域にもよるかもしれませんが、かなり面倒そうです。

公共ではなく、一般企業として経営されている病院が、このごろフィンランドで増えています。そういうところに行けば、住居地による区別は全くないでしょうけれど、かなり懐が痛いだろうというのは予想できます。それにそういうのって、やっぱり大きな街にしかないんですよね。

いずれにしても今回は、福祉国家(!?)の一面を目にするいい体験になりました。
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