さて、フィンランド公共放送Yleの夜8時半のニュース番組(参考サイト: Yle Uutiset 20.30 | TV | Areena | yle.fi )で報道されていた主要ニュース一週間分(6月24日~30日)です。
前回( 公共放送のニュース ~2019年第25週(6月17日~23日)~)は、ニュース番組で報道されていたほぼ全部のニュースを書きこみました。でもそれはあまりにも大変。そこで今回は、一部のニュースのみを書くことに。
毎回ニュース番組のオープニングで、まずその日のいくつかの主なニュースがさらっと流れます。そしてそのあと、それらについて詳しく報道される。今回書いたのは、そのオープニングで取り上げられていたニュースのみです。
毎度のことですが、フィンランド語で報道されたニュースをうまく訳せなかったり説明できないことも多いです。もとのニュースが、くうっけりの解釈入りでゆがんでしまっているかもしれません。それから時に、私見も書いています。ご了承くださいませ。
2019年6月24日(月)
トランプ大統領 イランへの新たな制裁措置に署名
このニュースは、日本でも報道されていたのではないでしょうか。
米国の経済成長10年以上続く
経済成長が始まったのはオバマ政権時。トランプ大統領になってからも(トランプの政策のせいか否かはともかく)、米国では経済成長が続いています。ニュースでは、ペンシルベニアのとあるソーラーパネル設置業者が取材されていました。
バイオディーゼル燃料がもたらすフィルター詰まりの問題
石油の代替として期待されているバイオディーゼル燃料。でもバイオディーゼル燃料を使うことによる新たな問題も。フィルターや管が詰まりやすいのだそうですよ。バイオディーゼルの中で、微生物がいきおいよく繁殖してしまうから。船や農機具などは定期的にメンテナンスしないと大変なことになるそうです。使用頻度の少ない、たとえば船などでは特に、バイオディーゼル燃料は使わないほうが無難だって話でした。
半分近くが空気のアイスも!?
低価格のアイスクリームと高価格のアイスの違いの一つは材料の違い。まあ、これは普通に想像できるかと思います。
でも意外に知られていないのがアイスに含まれている空気の量の違い!! 商品によっては、半分以上が空気だそうな。
2019年6月25日(火)
フィンランド湾対岸でのアルコール買い込みが加速すると予測
フィンランド湾の対岸、エストニアからアルコール飲料を買い込んでくるフィンランド人たちがたくさんいます。フィンランドに比べると、エストニアのほうがずっと安いから。
そのエストニア、しばらく前に酒税が上がったんですね。それでもフィンランドよりは安いので、アルコール飲料買い込みのフィンランド人たちの足はとぎれなかったらしい。でも、一部のフィンランド人たち、そしてエストニア人たちは、アルコールがより安いラトビアに行くようになりました。
そんなこともあって、エストニアでは再び酒税を下げることに。それに伴いラトビアも、一部酒税を下げるそう。2国間の客取り競争?!
一方、フィンランドの酒税は近々上がる予定です。だから、エストニアやラトビアにアルコール飲料を買いに行くフィンランド人らがますます増えるだろうという話。
高等裁判所 将校らに罰金判決
2017年に行われた予備兵も含めた自由参加の軍の訓練で、高位の将校が不適当な行動をとったことに対する判決。
酒を飲んで、酔った勢いで暴言吐いたり不適当な命令したみたいです。具体的には詳しく報道されていないのでよく分からないれど。
クシュナー氏が中東和平構想を公表
これは日本でも報道されてると思います。
それにしても、米国って不思議な国ですね。大統領の親戚まで権力を持つみたいですから。ところで、米国ってほんとに民主主義国家なんですか?!
ヨーロッパの猛暑 木曜がやま
このニュースも日本まで伝わっていることでしょう。
この猛暑、6月としては記録的なもののようですね。ニュースでは、フランスからの映像が放映されていたけれど、ほんとに暑そう💦
2019年6月26日(水)
若い世代は年配者らより女性の兵役や民間サービスに肯定的
フィンランド男性には兵役の義務があります。そして、何らかの理由で兵役に就きたくない場合には、一定期間民間サービスに従事しなければなりません。
一方女性は兵役はなし。ただ、希望すれば、男性らと同じように兵役に就くことができます。女性にはもともと兵役義務はないので、一定期間の民間サービスに従事する義務もありません。
公共放送Yleの、今の兵役制度に関する意識調査によると、国民の多くが今の制度がいい、と考えているそう。でも、28%ほどは、兵役や民間サービスの義務を女性にまで広げることに肯定的。特に肯定的なのは、年配者よりも若い世代。十代後半から20代前半の世代では、40%ほどが義務を女性にまで広げるのに肯定的とのこと。
民主党大統領候補者らのテレビ討論始まる
遠いお国の大統領選ですが、やっぱり米国の影響力は大きいからでしょうかね。大統領選のこの段階からしっかりニュースが入ってくる…
運輸省:気候変動緩和のために IT関係の温室効果ガス排出量についても考慮すべき
温室効果ガス排出量について討論されるとき、IT関係についてはほとんど言及されませんよね。でも、全排出量の3~4%が、IT関係のものと推測されているそうです。
近ごろは特に、スマホなどでもビデオを見ることが増えていますよね。その分、データセンターのサーバーがより働くことになり電気を消費。さらに、サーバーなどを冷却する装置もまた、フル回転でエネルギーを消費。
また、スマホなどの寿命も一般には長くない。そのような電子機器の生産にもエネルギーは必要です。
そんなこんなで、IT関係の温室効果ガス排出量についても考えるべきだという話。
2019年6月27日(木)
高等裁判所 元ヘルシンキ警察麻薬取締担当長に懲役10年 有罪の判決
とっても大ざっぱに言えば、ヘルシンキ警察麻薬取締担当の元チーフが立場を悪用して麻薬で儲けていたってことらしい。
地方裁判所での判決は2013年の末。で、今回の判決は高等裁判所のもの。ほぼ地方裁判所での判決どおり。
政府はシリアの難民キャンプのフィンランド人らを連れ戻す意向なし
ISIS戦闘員の妻としてシリアに渡ったフィンランド人の女性たち、そしてその子供たちがシリアの難民キャンプに収容されています。その人たちを国に連れ戻すか否か、しばらく前から話題になっていました。
この日の国会での質疑応答で、現内閣は積極的に連れ戻すことはしないと言明。政府の見解が、一応はっきりしたことになります。
でもこれ、子どもの人権を最優先に…という考え方には反する? この後、そんな議論がもちあがるかも。
統計局:6月の消費者マインド低下
全体的に将来に関する不安が高まっているということなのだと思います。大国同士の貿易戦争の先が見えないし、フィンランドの経済成長率も減少していますから。
2019年6月28日(金)
フィンランド イタリアが受け入れを拒否した難民8名の受け入れを表明
地中海で救助された移民の受け入れをイタリアが拒否しています。そんな中、いくつかの欧州連合国が移民の受け入れを表明。これって、今始まったことじゃなくて、イタリアの移民受け入れ拒否以降、以前にも何度かあったことらしい。
でも、フィンランドがこのパターンで移民を受け入れるのは、新たな展開。フィンランドはこの7月から半年間、欧州連合の議長国。どうやらそれが背景にあるようです。
ヨーロッパにやって来る難民・移民の受け入れと、それに関する欧州連合国内の合意は、大きな課題。もう3年間も話し合いを続けているにもかかわらず、解決の兆しはまったくないらしい。
そんな中での議長国だからこそ、受け入れに踏み切ったのだという印象を受けました。
ラップランド地方裁判所:キッティラの議員・役人らに無罪判決
キッティラはラップランドにある地方自治体。そこの議員さんやら役人さんやら、合計27人が起訴されていた裁判です。
フィンランド国内の、それも地方のごたごたごとなので、事件の内容については特に書きません。というかややこしいしあんまり理解できていないので書けません。
フィンランド語OKの方用に、参考になるであろうページへのリンクだけ貼っておきます。
フィンランド語OKの方用に、参考になるであろうページへのリンクだけ貼っておきます。
大阪G20サミット 米中貿易戦争の進展に注目
ニュースでは、サミットそのものよりも2国間協議が注目点でした。この日は、トランプ大統領とプーチン大統領との会談があり、翌日がトランプ大統領と習近平国家主席の会談。米中の関係は今後どうなっていくのか、それが一番のニュースのポイントでした。
2019年6月29日(土)
真のフィンランド党のユッシ・ハッラアホ現党首 次期も党首を継続
真のフィンランド党の党大会で、次期の党首やら党の役員やらが選出されました。党首は、対立候補者なしで今の党首が継続。他の役員らは新顔のようです。
ニュースとは直接関係はないけれど、党大会に参加していた党員らをインタビューしている映像の中で、とある党員が使っていた単語が耳についてしまいました。「haittamaahanmuutto」という言葉です。意味は「有害移民」💦
何らかの事情で母国を離れてフィンランドにやってきた移民らを haittaeläin(有害動物・害獣)とか haittakasvi(有害植物)とか haitta-aine(有害物質)とかと同列に扱ってる?! そんな言葉をテレビカメラの前で平気で言えちゃう人たちのようです。
それなのにこの政党、いちばん最近の政党支持率調査では支持率トップだったんですよ💦💦💦
ヘルシンキプライドパレードに数万人が参加
「ヘルシンキプライド」は毎年恒例のフェスティバル。セクシャルマイノリティの権利、ひいては、すべての人々の基本的人権をアピールするフェスティバルです。この日はパレードが行われ、盛大に盛り上がりました。
今年のパレードには、リンネ首相も参加。フィンランドの首相がプライドパレードに参加するのは、今回が初めてのことだそうです。
米中首脳会談 貿易交渉再開で合意
米中関係がこんなにも騒がれるのは、それだけ世界経済への影響が大きいということなのでしょうね。
そういえば、大阪サミットそのものの中身については、特になにも報道されていなかったような…。日本についても安倍首相についても一切言及はなかったわ。
2019年6月30日(日)
トランプ大統領と金委員長が会談
これについては、日本でもしっかり報道されたのではないでしょうか。北朝鮮、日本のお隣さんだし。
EUトップ人事協議
欧州委員会委員長をはじめとしたトップ人事を選出するための協議が進められています。ニュースが報道された時点では、その日の協議開始が遅れて、まだ協議が始まってないってことでした。
真のフィンランド人党のハッラアホ党首 言論に対する取り締まりを問題視
「言論の自由」といいながら実際には自由じゃない。その点について、法律の改正が必要だとハッラアホ党首は考えているらしい。
ソ連時代にソ連批判ができなかったように、現状では、移民やイスラム、EUの批判は実質的にタブーになってる…というのが彼の見解。
そういえば、この党の一部の人たちのヘイトスピーチがたびたび問題になるんですよね。それが念頭にあっての見解なのかなあ。でも、「ヘイトスピーチ」と「批判」って別物ですよねえ。
ところで、この党首も党大会での演説で「haittamaahanmuutto(有害移民)」って言葉を使ってましたわ。(・・;)
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