画像元:WWF(https://wwf.fi/en/norppalive/) |
この Pullervo君は、「サイマーワモンアザラシ」という種類のアザラシ。サイマー湖にしか生息しない、とても希少なアザラシです。
サイマーワモンアザラシ
フィンランド語で saimaannorppa。学名は Pusa hispida saimensis。ワモンアザラシ(Pusa hispida)の亜種。氷河期の後、陸地が上昇したことで約8000年ぐらい前に海から分離してできた湖。そこにに取り残されてしまったワモンアザラシたちの子孫たちが、サイマーワモンアザラシです。サイマー湖にだけ生息しています。
大きさ・特徴
体長は 130~145 cm。体重は50–90 kg(季節によって変わる)。サイマーワモンアザラシは、他のワモンアザラシよりも脳と目が大きいという特徴があります。海よりも複雑な地形であり、さらに水の透明度も低いサイマー湖の環境に適合したのだろうという話。
絶滅危惧種
サイマーワモンアザラシは絶滅危惧種。生息数は推定で約360頭。何しろサイマー湖にしか住んでいないのです。つまり「全世界」で360頭しかいないということ。それでも、1980年代から徐々に増えてはきているらしい。1980年代始めには120~150頭ほどしかいなかったそうですから。
保護活動の成果なんでしょうね。でも現在の個体数もまだまだ多くはなく、楽観はできない状況。
地球温暖化にともなう自然の変化も大きな課題のようです。サイマー湖のアザラシたちは、氷の下から雪に掘った巣穴で子供を産むそうなのですよ。でも近年、十分な積雪量がない。それで、この頃はアザラシたちが巣をつくって子供を産めるように、人造の雪山を作ってあげているみたいなんですけどね。
サイマー湖のアザラシとネストリ・ミーックライネン
サイマー湖のアザラシといえば、ネストリ・ミーックライネンさん…ユハ・ヴァイニオという方が作詞作曲した、「Vanhojapoikia viiksekkäitä」という、フィンランドでは有名な歌があるんですよ。1982年レコーディングされた曲なのでだいぶ古い?
歌の中に出てくるのが、ネストリ・ミーックライネン(ネストリは男性名、ミーックライネンは苗字)。
サイマー湖にある島に住むネストリは独身のまま年をとってしまった。
そんな場所にお嫁さんなんて来てくれなかったわけです。(日本の田舎にも嫁が来ないっていいますよね)
そんなネストリが家の前でハーモニカを吹いていると、その聞きなれた音にアザラシが顔を出す。
取り残されて一人ぼっちのネストリと、やはり取り残されて数少なくなったアザラシ。どちらもお互いの気持ちがよくわかる。そしてどちらも、それぞれその血をひく最後の者となるかもしれない…
ちょっとさびしい歌ではありますが、この歌が有名になったことも、サイマーワモンアザラシの保護に貢献したようです。
フィンランド語が分からないと聴いても面白くないかもと思いつつ、Googleの動画検索のページに一応リンクをはっておきます→vanhojapoikia viiksekkäitä - Google 検索
サービス精神旺盛?の Pullervo君
この土日、Pullervo君が長時間出演してくれています。単にごろっと転がっているように見えますが、その時々で体勢が違ってる…ランダムに撮った画像をつなげてみました。いろんなポーズをとってくれてますね。
今こちらは夜の11時近く。そろそろ暗くなってきていますが、Pullervo君、まだ同じ岩で寝ていますよ。
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